

患者さんや調理師さんと
同じ目標に向かって
進む姿勢が大切です。

後輩 K さん
在学生 病院に内定
食物栄養学科4年

先輩 U さん
病院管理栄養士
2020年 食物栄養学科卒業
※掲載されている記事および学年は取材時のものです。
※カリキュラムや実習先等は、変更される場合があります。
栄養指導は、
患者さんとの関係づくりから。
私も来春から病院の管理栄養士になります。実際の一日の業務はどんな流れですか?

午前中は献立作成、カルテのチェックと喫食量の確認を行います。昼食時に病棟を巡回し、食事調整を行います。また、合間に栄養指導やカンファレンスなどもありますね。

慣れるまでは大変そうです。私は栄養指導をしっかり行いたいのですが、授業で模擬患者さんに栄養指導をして、本当に何を食べたか教えてもらえないことが多いと知りました。

禁止されている物を食べて言いたくない場合と、うっかり言い忘れている場合があります。いずれにしても、日頃から信頼関係を作ることが大切。食事の話題だけでは難しいかもしれません。

確かに、無理やり聞きだそうとしても、患者さんは言いたくないですよね。

世間話の中で「あれ? 甘酒飲んでました?」と、本音がわかることもあります。なかなか想定した数値にならない場合は、原因が隠れていることもあります。

話しやすい管理栄養士をめざしているので参考にしたいです。


ゼミで得た成果は、
必ず仕事のヒントになる。
振り返ってみると、食生活について聞き取るスキルは、在学中に身につけたかもしれません。

どの授業ですか? それとも実習先で?

公衆栄養学のゼミですね。バレーボール部員にお弁当を4週間提供して体調の変化をリサーチしました。その際にお弁当以外の食生活の聞き取りも行ったのですが、相手に共感する気持ちが大切だと痛感しました。

一緒に良い方向をめざす気持ちですね。

これは患者さんに対してだけでなく、一緒に働く仲間も同じ。例えば、患者さんと直接会う機会のない調理師さん。「今日はおいしくて食べやすかった」など、患者さんの声をお伝えすると、調理のモチベーションは格段に上がります。

私は現在、ゼミで大量調理における様々な実験を行っています。調理の種類・時間・切り方ごとに、栄養素の測定と官能評価を行い、いかにおいしく安全に食べられるかを検証中です。

興味深いですね。大量調理でおいしさをアップしていくのは病院の大きなテーマですから。

委託給食会社と連携した研究なので結果が楽しみです。私も先輩のように、ゼミでの学びの成果を仕事に活かしたいです。


多様な症例を学び続ける。
それが管理栄養士。
大学と、働く現場である病院との違いはどんなところですか?

実践力を格段に求められるところですね。在学中には学ばなかった知らない疾患が多く勉強中です。また、糖尿病など知識のある病気であっても、合併症との組み合わせなどで対応の仕方はケースごとに変わります。

学び続ける職業なんですね。実習先の病院で現場の管理栄養士の方の勉強量を目の当たりにして驚きました。

上司の存在は大きいですね。栄養指導の様子を見てポイントをメモしたり、分からないことがあればまずは考えて、その後に相談させていただいたり。様々な疾患を知るために研修会にも参加しています。

今後の目標をお聞かせください。

現在は緩和ケアを担当し、NST(栄養サポートチーム)にも少しずつ携わらせていただいているのですが、NSTの専従になることが目標です。

先輩のお話を聞いて、プロになってからが本当のスタートだと実感できました。私も向上心を持つ病院管理栄養士として歩んでいきます!

