小学校教諭・中学校教諭・高校教諭の仕事内容の違いについて

「将来は先生になる！」と決められている方でも、学校の種類には小学校、中学校、高校などがあり、それぞれの教師の業務内容や児童・生徒との接し方が変わります。
そこで、今回は先生の業務や児童・生徒とのコミュニケーションについてご説明いたします。

小学校教諭・中学校教諭・高校教諭の仕事内容の違いとは？

小、中、高校と選択する学校の種類、進路により仕事内容が変わりますので、ここではそれぞれの業務の違いについてご説明いたします。

小学校教諭

中学校、高校教諭との大きな違いの一つに学級担任制が挙げられます。

学級担任制とは、国語・算数・理科・社会をはじめとして全教科と教科外活動（外国語活動、学級会活動など）を学級担任が指導します。
学校によっては音楽や家庭科、体育などの専門教科の教員が指導する場合もありますが、大学では全教科と教科外活動を履修科目として展開しています。
これは、発達段階の早い時期にあたる児童一人ひとりを総合的に把握し、それぞれの能力に応じた個性を引きだしていくためには全教科を担当することが望ましい、という考え方にもとづいています。

また、小学校は義務教育の最初の6年間で、この期間に、中等教育につながる基礎となる学力を身につけるとともに、社会性や協調性、豊かな人間性を養うことが大切になります。

中学校教諭

中学校からは教科担任制が採用され、学級担任と分担されます。

教科担任とは、英語や数学など、特定の教科のみを指導する担任を指します。
目的は対象教科の専門性を高めることで、授業の質や生徒の理解度をより深めます。

一方、学級担任の業務には進路指導、生徒指導、キャリア支援など、生徒の生活全般にかかわる指導や、大会への引率など部活動の指導などがあります。
なお、学級担任自身も教科担任、つまり特定の科目を指導しているので、自分の学級を担当しつつ、且つその他の学級にも教科を指導します。

また、中学校の3年間で義務教育期間は終了となり、卒業後の生徒の進路を考え、しっかりと指導することも大切になります。高等学校への進学を希望する生徒に対しては、高校受験という大きな節目を迎える悩みや心配ごとに一緒に向き合う姿勢も重要になります。

高校教諭

中学と同様に、高校でも教科担任制が採用されています。

高校では文系科目、理系科目等の科目選択により中学よりもさらに専門的な学習になります。
学級担任の大きな業務としては進路指導があります。
高校卒業後の進路は様々な選択肢があり、生徒は進学、就職などそれぞれの歩む道を決めていくことになります。その中で生徒には進路を決定する上での選択肢や判断基準を伝え、その進路の先にはどういった未来があるのかを考えるキャリア教育をしっかりと行う必要があります。
その上で大学に進学するのか、就職するのか、明確にし、生徒本人はもちろん保護者とも話し合い、目標実現のためには何をするべきなのかを指導します。

どの校種を選んだらよいか決める際の注意点

当然ですが、小学校、中学校、高等学校と在籍する児童・生徒の年齢層は異なります。
そのため、それぞれの発達段階に合わせた接し方を理解する必要があります。
そして、小学校、中学校、高等学校、それぞれ教諭を目指すにあたって、児童や生徒とどのように向き合っていきたいか、ということをイメージして、自分の希望する校種を選ぶことが大切です。

小学校では教諭として児童の学習指導にあたることはもちろんですが、時には児童を見守るケアの視点も必要になってきます。子どもと、より密接に関わりたい、という方は小学校教諭に向いているのかも知れません。

中学校では思春期を迎え、多感な生徒と接していくことになります。思春期ならではの問題に直面している生徒に対処する際に、しっかりとした価値観や人間力を発揮する機会に恵まれることも多くなるでしょう。

高校では大人・社会人への成長に向けて生徒を子ども扱いをせず、一人前の人間として接していく気持ちが大切でしょう。勉強はもちろん、様々な選択肢に対して自分で考え、決定していくことが必要になる生徒に対し、必要に応じて助言や手助けを行い、最終的には生徒自身の意思で物事に対峙していくことができるよう適切な距離感で接していくことが求められます。

おわりに

小、中、高校教諭の業務内容や生徒との接し方についてご説明いたしました。
年齢を増すごとに指導科目の専門化が増し、また生徒の内面では自我の確立がされるため年齢ごとに正しい対応をする必要があります。
これから「学校の先生」になりたい、という方はこれらのことを理解し、あなたの目指したい学校種を決めていくことをおすすめいたします。