「こんな夜更けにバナナかよ」

週末に「こんな夜更けにバナナかよ」を視聴しました。
最初にこのお話を知ったのは大学院修士の学習をしている時、担当の教授から紹介されてでした。
進行性の筋力が衰える病気を持ちながら地域で暮らす「シカノ」さんの姿は、かつて私が保健師の勉強をしていた学生の時にお会いした方を思い出させます。その方も、独居で生活し、車椅子に乗って、ボランティア募集のビラを配っていました。
夜間の体位交換、排泄、食事、外出補助などをさせていただきました。外出では通天閣や奈良公園まで行った記憶があります。
その方は「ケアをしてもらっていちいち『ありがとう』と言いたくない。」とおっしゃっていました。「だって、常にケアしてもらわないといけないのに、その度に「ありがとう」と言ってたら大変。」とも。もし、ありがとうと言わなければ手伝ってもらえないとしたら…それは対等の立場ではないですね。お手伝いするのは、自分にできることで役に立ちたいと思うから。
そして、もしその方が常に「ありがとう」と言わなければいけないとお手伝いする人が思ってしまったら、その関係はどうなるのでしょうか。
毎日を生きるのに卑屈な気持ちになるとしたら、楽しく暮らせるでしょうか。映画の「鹿ボラ」の人たちもあっけらかんと、対等の立場でコミュニケーションを取っていました。かしずくのでもなく。
私が出会った方も「ボランティアは家族・卑屈にならなくて良い友人」として接しておられたのではないかと思います。今思えば貴重な経験をさせていただいたと思います。
地域で、自宅で自分らしく暮らしたい
そんな願いを叶えるために、在宅看護は頑張ります。
後期の2年生の授業では、在宅療養生活を送る方にゲストスピーカーで来ていただく予定です。乞うご期待。

対面授業がどうぞ実施できますように。

在宅看護 藤田倶子

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