在宅看護実習は訪問看護ステーションでの2週間の実習カリキュラムでしたが、今年度の在宅看護実習はCOVID-19の影響で全て学内実習となりました。
ですが、在宅看護学領域の教員はできるだけ臨地で実習している環境に近いものを準備しようということで8月頃から準備を着々と進めてきました。
そして今週から実習がスタートしています。
今日は簡単に2週間のスケジュールと初日、2日目の実習の様子をご紹介します。
実習内容は大きく以下のものがあります。
・在宅看護過程の展開
・教員による訪問のデモンストレーションと学生による訪問シミュレーションの実施
・多職種カンファレンス(サービス担当者会議)の実施
・在宅療養者に療養生活についてのお話を伺い、療養生活の実際を知る
看護過程、訪問シミュレーション、多職種カンファレンスについてはそれぞれ模擬事例を準備していますが、経験豊富な教員が本当に実在しそうなリアルな事例を作成しました。
また、在宅療養生活の実際についてはいつもお世話になっている鈴東さんにおこしいただき、学生が質問したことにお答えいただくようお願いしています。
さらに、それぞれの実習で使用する模擬事例は訪問看護専用の電子カルテ「iBow」(株式会社eWell)に入力し、学生はタブレット端末から電子カルテにアクセスして情報収集をします。
iBowは実際に実習施設でも採用されているところが多く、実習中は学生用のタブレットをお借りして情報収集することも多くなっています。
教員の思いつきでeWellさんに教育機関での使用ができるかどうか伺ったところ、コロナ禍で学生が臨地に出られないのであれば、是非協力したいと無償でご提供いただきました!
こういった約2か月の準備期間を経て、ようやく実習初日を迎えることができました。
初日、ユニフォームで実習室に集合し、オリエンテーションで実習を開始しました。
学生は、学内での実習内容の説明を受け、iBowの使い方をマスターしたら、看護過程やカンファレンスの事例を決定して情報収集に入ります。
情報はカルテだけにかかれているのではなく、架空の「千里金蘭訪問看護ステーション」内にあるホワイトボードにもあります。
利用者の訪問時間、回数、曜日など1週間のスケジュールが書かれているホワイトボードも訪問看護ステーションではよく見る光景です。
午後には教員による訪問デモンストレーションを行います。
学生に利用者と家族、実習生の役をしてもらい、本当にリアルな訪問場面が再現されていました。
訪問して実施する看護だけではなく、お家に上がる際のマナーにも気を配ります。
実習生役の学生は訪問中の約30分、ずっと畳の上で正座していたため、訪問終了時には足がしびれているようでした。
これも「在宅看護実習あるある」です。
翌日の2日目、できるだけ早い段階で在宅療養者の療養生活について知ってもらうため、毎クール1週目の火曜日に鈴東さんに来ていただくことにしています。
学生から生活の上でのさまざまな疑問について鈴東さんに投げかけ、丁寧に応えていただきました。
今回のクールは約20名の学生ですが、密にならないようにタブレットは2〜3名で1台を使用、それぞれ距離を保つようにし、訪問場面のようなどうしても蜜を避けられない場面ではマスクを着用し、大きな声は出さないように注意しています。
もちろんマスクも着用しています。
また、タブレットは必ずペンシルで操作、使用した物品については必ず返却時にアルコール消毒をしています。
このように感染予防対策も十分に行いながら、学内でもしっかり実習ができるように環境を整えていきたいと思います。