栄養教諭になる!

教職科目担当の稲田です。私の授業では、毎年この時期に「模擬授業」の演習をしています。これは小中学校で食育を推進する「栄養教諭」の重要な職務の一つである、食育に関する授業を円滑にできるようにするための演習です。

授業の進め方は、まず授業の根幹となる学習テーマを設定し、それに基づいて、学習の目標・テーマ設定の理由などを考え、その目標を実現するための授業の構成や流れを考え、45分間の授業時間内で何をどのようにするかという事を、「導入」・「展開」・「整理」の順に示し、最後に全体として黒板をどのように使うかの「板書計画」を作って「学習指導案」を完成させます。

次に話し方・声の出し方・言葉づかいなどの授業を行う際の基本を理解し、更に指導案を実施するための教材作成や、副教材・ワークシートの作成などの準備を行います。その後、いよいよ教室で教壇に立って「模擬授業」を行います。

この「模擬授業」演習では、90分の授業時間に2人の受講生が「先生」となり45分間授業をおこない、他の受講生は「児童・生徒」になって「模擬授業」に参加します。「模擬授業」の終了後には、「児童・生徒」役の受講生が、授業全体の感想や「良かった点」「改善すれば良くなる点」を発表・討議します。

1.8-4石井1.8-6滝本押川横顔授業が行われている間に、「児童・生徒」役の受講生はその「模擬授業」について、以下に示した観点で、模擬授業の評価を行います。具体的な評価項目として、1、授業の目的の明確化 2、授業理解への工夫 3、学習への意欲づけ 4、生徒の状況、5、事前準備の状況 6、学習指導案の作成状況、の6つの評価の観点を設定します。

その後さらに細かく具体的に、☆授業の目標が生徒に明らかにされているか ☆板書が見やすく工夫されているか ☆板書や文書に誤字・脱字がないか ☆声は大きく聞きやすいか ☆言葉はわかりやすいか ☆話のスピードや抑揚は適切か ☆副教材やプリントは工夫されているか ☆授業の展開にメリハリが利いているか ☆生徒の態度や表情を見ているか ☆発問・発表など生徒の参加が考慮されているか、☆生徒が授業を理解できたか、☆教材研究が十分になされているか ☆学習指導案が適切に作成されているか ☆総合的に評価してどうであったか、などの項目について、評価表にABCの3段階で評価し、最後に記述式で「良かった点」「改善すれば良くなる点」を記入し、授業終了後提出します。

提出された評価表を私が点検し、そのコピーを次回に「模擬授業」を行った受講生に返却します。この評価表は、「児童・生徒」役の受講生が客観的に記入しているため、「先生役」の受講生には自分の授業がどのようであったかということがたいへんよくわかるので、受講生にとっては、自分の行った「模擬授業」の振り返りにおおいに役立つ資料となっています。1.22先輩あり

この「模擬授業」を1人2回行い、子ども達の前で授業ができる力量を養成し、次年度の教育実習に備えます。

1回目の「模擬授業」から、堂々と予定通りに上手にできる人もあれば、人前で話すことに慣れていないので、上がってしまってうまくできない人もいますが、2回目には、1回目の評価表に書かれた、「良かった点」をさらに伸ばし、「改善すれば良くなる点」を工夫し、ほとんどの受講生が適切に授業をできるようになります。

この「模擬授業」演習を経験した結果、将来の進路として、「栄養教諭」を目指す人が毎年出ており、卒業後教員採用試験受験し、小中学校で「栄養教諭」として教壇に立っている卒業生がいます。

皆さんも、千里金蘭大学生活科学部食物栄養学科で、栄養教諭になる勉強をしてみませんか?

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