食品加工学を紹介します!

こんにちは、武智です。 食品学、食品加工学関連の授業を担当しています。今回は、食品加工学について書きます。

まずは「食品加工学」という科目名の座学で、基礎知識を学びます。内容は文字通り、食品の貯蔵と加工の原理を学び、加工食品への理解を深めるものです。 ところで皆さん、加工食品って何?と聞かれたら説明できますか?加工食品とは、農産物、畜産物、水産物などの食材を原料として製造・加工される食品のことです。例えば、パン、豆腐、ジャム、ハム、チーズ、みそ、しょうゆ、キャンディー・・

生活様式や食生活の変化とともに、加工食品への依存度はますます高くなっています。高度な加工により、社会的な問題も起こっているという一面もあります。将来的に、管理栄養士しとして食品を取り扱っていくうえで、食品素材のみならず、加工技術や加工に伴う成分変化を知ることは、非常に重要なことなのです。管理栄養士国家試験でも、出題率の高い分野なんですよ。

以下、授業の一例です。

加工食品の例1 <ジャム>

果実に糖類を加え、加熱濃縮によりゼリー化したもの。

<製造の原理> ペクチンが、有機酸と砂糖の共存下でゲル(ゼリー)化する機能を利用したもの <ゼリー化の三要素> ①ペクチン 0.5%以上、②有機酸 pH2.8~3.5、③砂糖 50%以上(60%以上が適 る)

加工食品の例2 <チーズ>

原料乳に、(スターター)として(乳酸菌)を加えて発酵させ、凝乳酵素の(キモシン(レンニン))を作用させて、牛乳中のタンパク質(カゼイン)を(カード(凝乳))として分離したもの。無熟成:モッツァレラ、カッテージチーズ など 熟成:チェダー、カマンベール など

<製造の原理> カゼインのレンネット凝固性を利用したもの。

タンパク質分解酵素がκ-カゼインを分解 → 疎水性のαs-やβ-カゼインが露出 → 乳脂肪取り込み→沈殿、凝固(カードの形成)   

 *κ-カゼインについて:親水基を持つ(親水性)。疎水性のαs-やβ-カゼインを取り囲みカゼインミセルを安定に保つために働いている

※ 牛乳を超高温殺菌(UHT)すると、レンネット凝固性は消失するので、UHT牛乳ではチーズができない

座学で得た知識を基に、「食品加工学実験」で実際に加工食品を製造し、市販品と比較して、加工食品についての理解をより深めていきます。

<「食品加工学実験」で製造する加工食品> パン、ジャム、あん、マヨネーズ・ドレッシング、豆腐、ヨーグルト、アイスクリーム、ソーセージ、かまぼこ

この授業の締めくくりは自由課題です。各班で授業で習った加工食品を応用、アレンジした内容となるようテーマを決め、製造します。それを持ち寄り、最後はパーティです。

DSCF7717

シェアする

トップに戻る