皆さまもSDGs（持続可能な開発目標）という言葉を耳にしたことがあるかと思います。
その中には「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する」という食生活に関わる目標も設定されています。
こういった目標が世界的に掲げられている中で、豊かな食生活の実現を担う専門職である管理栄養士にかかる期待は大きくなっています。
今回は、食品に関する問題に管理栄養士が関わる事柄について紹介いたします。
「食品ロス」と「フードロス」とは？
食品は生産者から消費者のもとへ届く過程や、外食や家庭での食事の段階において様々な理由で捨てられてしまうケースがあり、食品廃棄物を減らすことは社会的にも大きな課題となっています。
食品廃棄物とは魚の骨など、食べられない部分を含む廃棄物全体を指し、そのうち、食べられるのに捨てられる食品のことを「食品ロス」と呼びます。
では、最近よく耳にする「フードロス」と「食品ロス」について違いはあるのでしょうか？
海外では食品の生産、製造・加工、流通など消費者に食品が供給される過程で破棄される食品を「フードロス」と表現し、食品の消費期限や食べ残しによって廃棄されることを「フードウェイスト」と表現しているようです。
日本において「食品ロス」と「フードロス」はほぼ同じ意味合いで使用されており、生産、製造・加工、流通、小売・外食での廃棄は「事業系食品ロス」、家庭での食べ残しや廃棄は「家庭系食品ロス」と表現されます。
このように、食品の廃棄にはその段階や性質において呼び方が異なります。
そして近年、フードロスや食品ロスといった問題の解決に対して管理栄養士の果たす役割が注目されています。
管理栄養士が行う、フードロス対策
管理栄養士は食に関わるプロフェッショナルとして、社会の様々な場面で対象者に栄養指導を行います。
そして近年、管理栄養士の役割は食品ロス、フードロスといった問題への取り組みについても期待されており、食品の製造、加工、流通といった様々な段階において管理栄養士が果たす役割は大きくなっています。
例えば、食品に含まれる栄養素や、その栄養素がどのようにすれば効率よく体内に取り込まれるか、といった栄養学を熟知した管理栄養士が食品開発に携わることが挙げられます。
管理栄養士が携わることによって企業は消費者の経済面や環境への配慮を行った上で、効率よく栄養素を摂取できる食品を開発することができるようになり、フードロスの削減につなげていくことが可能となります。
また、食品を販売する店舗においても、管理栄養士が栄養学の観点から各家庭で必要な食材の分量を提示したり、食材の保存方法や長持ちさせたりする調理方法、食材を無駄にしない調理方法などの情報提供を行うことにより、消費者は余計に食品を買い過ぎることなく、家庭での食品ロスを削減できるようになります。
このように食品を取り巻く様々な場面に管理栄養士が介在することにより、栄養学の観点からフードロス、食品ロスの問題にアプローチすることが可能になるのです。
おわりに
フードロス、食品ロスといった問題と、その問題解決に管理栄養士が果たす役割について紹介しました。
SDGsに代表されるように、社会においてこれらの問題は大きな関心を集めています。
その中においても食のスペシャリストである管理栄養士が果たす役割は大きな可能性を秘めています。
社会から必要とされる管理栄養士を目指してみてはいかがでしょうか。
千里金蘭大学でめざす管理栄養士
千里金蘭大学 栄養学部※では消費者向け食品ロス削減実証事業に学生が参加し、企業と一緒に食品ロスの問題に取り組んでいます。
詳しく知りたい方は、下記URLをご参照ください。
※2023年4月、生活科学部食物栄養学科から栄養学部栄養学科へ名称変更
https://www.kinran.ac.jp/blog/2022/10/26/food-loss-demonstration-experiment-2022/
千里金蘭大学情報
管理栄養士になりたいを叶えるなら
高度な専門知識と人間力を身につけ、食の分野から健康を守る管理栄養士をめざす
https://www.kinran.ac.jp/academics/dietetics/
言葉では伝わらない千里金蘭大学を体感
オープンキャンパスやキャンパス見学会で管理栄養士をめざす将来をイメージ！
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https://www.kinran.ac.jp/cheer/exam/
