ホームカミングデー 退職記念講演

2019年11月2日に開催された大学祭において、卒業生や在学生の参加を得て退職記念講演を行いました。

短期大学並びに大学での授業において、毎年のように学生に常に話していた「栄養所要量」「食事摂取基準」について、最近の知見と種々の数値の移り変わりの歴史について話をしました。

その例として挙げたのが、たん白質の基準となる数値とその算出方法の変化です。

成人のたん白質の所要量は、1969年に策定されたときは、良質たん白質(鶏卵)の窒素平衡維持量から平均必要量が求められ、これを日常的混合たん白質に補正し、さらに大多数の人に適用できるように個人差変動を加味して算出された。その結果として、体重1㎏当り1.18g/日を成人男女に適用し、1日当たりの所要量を決めた。(結果、20歳代男子70g/日、女子60g/日が採用された。)

その後の改訂ごとに、1.14ℊ/㎏/日、1.08ℊ/㎏/日、1.01ℊ/㎏/日と減少していった。

食事摂取基準となってからは、算出方法が変わり、良質たん白質の窒素平衡維持量に日常的混合たん白質の消化・吸収率を90%として、推定平均必要量(集団の50%が必要量を満たせる量)を求めるようになった。この数値は0.74ℊ/㎏/日、と所要量より大幅に減少し、結果として成人男性50ℊ/日、女性40ℊ/日という推定平均必要量となった。この数値も2015年版では、0.72ℊ/㎏/日と改訂されている。

この他にも、コレステロールや食塩の摂取目標量の変遷にも触れた。

その後短大時代の卒業生や大学卒業生の同期同士の懇談や写真撮影を行い、旧交を温めた。その記念写真を次に掲げます。

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