管理栄養士とは、いったいどのような職業なのでしょうか?
また、管理栄養士になるにはどうすればよいのでしょうか?
本記事では管理栄養士についてご紹介いたします。
管理栄養士とは?
管理栄養士は国家資格であり、食と栄養に関する専門職です。
管理栄養士は食事提供などを通して対象となる方の年齢や身体状況に応じた栄養改善に取り組み、そのために必要な栄養教育・栄養相談を行って、人々の健康増進や、豊かな食生活の実現に貢献します。
管理栄養士と栄養士の違い
管理栄養士と同様に食と栄養に携わる資格のひとつとして、「栄養士」という資格があります。
栄養士は栄養士養成施設において2年以上、知識・技能を学び、それらを修得した方に対して免許が与えられる資格です。
一方、管理栄養士になるためには管理栄養士国家試験に合格する必要があります。管理栄養士国家試験の受験資格は、栄養士免許を取得したあとに栄養士として必要年数分の実務経験を積む、または大学などで4年間の管理栄養士養成課程を修了することで得られます。
業務内容としては、管理栄養士と栄養士はどちらも給食管理や健康な方を対象とした栄養指導などを行います。
それに加えて、管理栄養士は病院や特定保健指導において傷病者に対しての栄養指導やカウンセリングを行うことができます。
特に、近年ではがんや脳卒中、心臓病、糖尿病など生活習慣病に関する指導を行う管理栄養士が多くなりました。
生活習慣病は食生活と大きく関連している病気であることから、食の専門家である管理栄養士は多くのフィールドで活躍しています。
本学コラムページ:管理栄養士と栄養士とは?
( https://www.kinran.ac.jp/cheer/blog/food/2021/03/26/registered-dietitian-and-nutritionist/ )
管理栄養士の仕事内容
乳幼児から児童・生徒、成人、病気の方やご高齢者など、あらゆる人々の生活と健康を栄養面から支えるのが管理栄養士の仕事です。
病院での栄養管理や栄養教育、学校においての給食管理(献立づくり、調理の管理、衛生管理など)や栄養教諭※としての食育のコーディネート、大学や研究機関での研究者・教育者、高齢者施設での栄養ケア・マネジメント、保育所では給食管理に加えて延長保育に対応した夕食やおやつの用意、また、企業や保健所・保健センターなどの行政機関、と管理栄養士の活躍の場は多岐にわたり、食と栄養のプロフェッショナルとして必要とされています。
※栄養教諭免許状が必要となります。
管理栄養士になるには?
管理栄養士の国家試験受験資格を取得するには、高校卒業後に、大学などで4年間の管理栄養士養成課程を修了する、もしくは、栄養士養成課程を修了した後に栄養士としての実務経験を積むことが必要です。
そのうえで、国家試験に合格することで管理栄養士になることができます。
管理栄養士になりたいとお考えの方は、高校を卒業した後、管理栄養士養成課程のある大学に進学し、4年間の管理栄養士養成の課程を修了することにより、最短期間で目指すことができます。
管理栄養士になるための国家試験とは?
管理栄養士になるための国家試験を受験するためには、下記の条件を満たしている必要があります。
下記はいずれも栄養士免許を取得していることが条件となります。
- 修業年限が4年の管理栄養士養成施設を卒業している
- 修業年限が4年の栄養士養成施設を卒業し、栄養士として1年以上の実務経験がある
- 修業年限が3年の栄養士養成施設を卒業し、栄養士として2年以上の実務経験がある
- 修業年限が2年の栄養士養成施設を卒業し、栄養士として3年以上の実務経験がある
つまり、管理栄養士養成課程を持つ4年制の大学を卒業していて、栄養士の資格があれば、実務経験を積まずに管理栄養士国家試験を受験することができます。
国家試験の出題範囲は下記のように多岐にわたるものであり、しっかりと勉強をしなければ合格することはできません。管理栄養士養成課程を持つ4年制大学への進学を検討されている方は、国家試験対策がしっかりと用意されている大学を選ぶことも重要になります。
- 社会・環境と健康
- 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
- 食べ物と健康
- 基礎栄養学
- 応用栄養学
- 栄養教育論
- 臨床栄養学
- 公衆栄養学
- 給食経営管理論
- 応用力試験
本学コラムページ:管理栄養士になるには?気になる仕事内容もご紹介します
( https://www.kinran.ac.jp/cheer/blog/food/2020/05/12/registered-dietitian-jobs/ )
管理栄養士の活躍の場
一般的な栄養指導だけではなく、特定保健指導での栄養指導も行うことができる管理栄養士は、下記のような職場で活躍します。
- 病院などの医療機関
- 学校
- 福祉施設・介護施設
- 食品の研究機関
- 食品メーカー
- 行政機関 など
上記以外にも一般企業などの社員食堂(勤労者福利厚生施設)、公衆栄養活動や栄養ケアステーションの一員として地域活動に関わるなど多岐にわたります。
そして、それぞれの施設において給食の献立作成、給食管理運営、衛生管理や栄養の指導、医療現場においては栄養ケアの中心的な役割も担います。また、学校現場においては栄養教諭※として食育を担うこともあります。
このように、管理栄養士の活躍の場はますます広くなっています。
そのため、管理栄養士を目指す皆さまは、どのような場所で、どのような方を対象に自分の力を生かしたいのかといった将来のビジョンを明確にしておきましょう。
本学コラムページ:管理栄養士の資格を活かせる仕事をご紹介
( https://www.kinran.ac.jp/cheer/blog/food/2020/07/29/registered-dietitian-work/ )
※栄養教諭免許状が必要になります。
医療の現場でも活躍できる管理栄養士
管理栄養士と栄養士の仕事内容はともに給食施設のある職場において献立作成、給食管理運営、衛生管理など給食の提供、対象者に栄養相談や栄養教育です。
また、対象者に合わせた食事提供を栄養の観点からだけではなく、安全でおいしく提供することの責任者としての役割も果たします。
管理栄養士はこれらに加えて、医療現場において病気の方も含めた対象者へ食と栄養のカウンセリングを担います。
医療現場や保健所(保健センター)では、糖尿病などの食事療法を必要とする方へ栄養カウンセリングを行い、ほかの専門職とチームを編成して進められる「栄養ケア」の中心的な役割を果たします。
このように、管理栄養士として活躍するためには、医療などの専門的な知識が必要とされ、その能力を見極めるために国家試験に合格する必要があります。
おわりに
管理栄養士の仕事内容、栄養士との違い、管理栄養士になるには、についてご説明させていただきました。
仕事内容は多岐に亘り、食と栄養に関わる様々な現場で求められています。
皆さまも、人々の健康増進や、豊かな食生活の実現を担う管理栄養士を目指してみてはいかがでしょうか?
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