昭和38(1963)年に当時の金蘭会短期大学を設立して40年、千里金蘭大学は平成15(2003)年に開学いたしました。119年前に設立された金蘭会学園が長きに亘り受け継いできた建学の精神「学び、人の役に立つ」に従って、人の心を思いやり、仲間と心を一つにし、誰かのために動き出せる女性の育成に努めてきました。
この建学の精神は、多くの女性が社会に出て活躍するようになった、まさに現代の日本にふさわしいものです。その精神を培うために、本学は自分の知識や技術を高めるため自ら学び、夢を描き、様々な人と出会い、そして社会や人に役立つ女性を育成することを目指しています。そのため、2022年度に大学院看護学研究科を開設し、2023年度には女性が社会で大きく羽ばたける栄養、教育、看護の3学部体制に学部改組いたしました。
本学で学んだ学生が、管理栄養士、小学校・幼稚園教諭、保育士、看護師、保健師、助産師、さらには養護教諭、栄養教諭として、社会で活躍できるように知識や技術を研鑽していただきますが、どれも命のある人に関わる職種であり、ここ、千里金蘭大学で「命の大切さ」を尊び、人への優しさの心も培ってほしいと願っています。
それらを実現するために、少しずつでありますが、講義室の改修・追加、図書館の土曜日開館、大学生協同組合の設立、学生教育環境や生活環境の整備に努めてきましたが、教育環境の整備は未だに十分とは言えず、学生教育のさらなる質の向上に向けて一層の充実が必要と考えています。新型コロナウイルス感染症蔓延のため対面での講義が一時開講できなくなり、WEBを用いた教育環境の充実を図ってきましたが、とても十分な教育環境を構築できたとは言えません。そして、学生が制限なく、世界の知識や技術を取得するためには、図書館の充実はもちろん、WEBを通じて国内外の充実した論文を常時取得できる環境も必要です。国家試験対策のみならず、学生への教育支援やキャリア支援、経済的援助、厚生・福利の支援のための助成が必要です。
人に役に立てる女性を社会に輩出する大学として更なる発展と、高い評価を得て、学生が自ら夢をもって教育できるようにするために、教育研究活動の財政的基盤を充実させることが不可欠になっております。
このような現状をご高配いただきまして、今後ともご支援ご協力の程宜しくお願い申し上げます。
千里金蘭大学 学長(千里金蘭大学後援会 顧問) 福嶌 敎偉